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山は紅葉美しく、野は黄金色に染まり、いよいよ秋が深っています。皆様におかれましては、これまでの働きが豊かに実を結び、大きな喜びを分ち合っておられることと思います。 秋は歓喜と感謝の季節でもありますので、自然と祭祀や式典が多くなります。神社一般で大きな祭祀といえば11月23日の勤労感謝の日に行はれる「新嘗祭」が挙げられます。出雲大社では、この祭祀を「献穀祭」と称しています。この献穀祭・新嘗祭は、収穫した新穀をはじめ様々な収穫物を神々にお供えして、その実り多き事の由を告げて感謝をし、神と人が共に悦び合い、互いの勤めを敬い尊び合う、誠に神人合一の祭祀です。また、新嘗祭は神社のみならず宮中においても斎行されています。11月23日より24日にわたり行われ、祭儀には神嘉殿内に神座・御座を設けて、天皇陛下御自ら新穀を柏葉の枚手(ひらて)などに盛り、食薦(けごも)にお供え致します。 稲作はわが国の農耕文化の中心です。現在も宮中にて遊ばすお稲作は昭和天皇がはじめられました。その御心を今上天皇はしっかりと結んでおられます。畏くも平成の御世を20年もめでたく過ごせてきました。11月12日はご即位20年を祝う記念式典がとり行はれました。 ![]() 今年の秋も実り豊かに恵まれ安心して暮らせることは、中今に生きる私達の努力の成果でもありますが、その礎を築き授けて下さったのは天照大神・大国主大神をはじめとする神々です。私達の親達はその御教えに従い、寒暖極まっても弛むことなく汗を流してきました。その精神は代々受け継がれています。現代社会においても、勤労実直は間違いなく祖先の血筋を受け継いでおり、世界でも誇れる国民性です。このために物は豊かにあって不足のない時代です。しかし、世相の一部かもしれませんがモラルハザードや学級崩壊などが報道されており、心の乱れが顕れている観があります。心は目に見ることが出来ず、隠れた幽(ゆう)なる問題ですが、私達の心と魂は祖先から受け継いできたのですから、素直に観て、正直に聴き、誤りがあれば見直し聴き直して、正しき道を歩める能力が備わっています。 近年の風習は完成品ばかりに注目が集まり、その素材や技術が取り上げられる傾向にあります。確かに農作物・漁や工芸品などは伝えられた技術を用いればものはできますが、それでは機械が行っても変わりません。いくら機械で上手に作ったとしても感動させることは難しいでしょう。諺にも「仏像を彫って魂入れず」と申しますように、目に見えている顕(けん)の部分だけが美しくても完成とは呼べないのです。感覚の世界である誠の心、幽なる魂がこもってこそ感動が生まれます。 社会的流行により主産業が農業から工業に移り、現在では工業からITをはじめとする情報・サービスに移りつつあり、昔話の頃とは世間の流れが違いますが、こうした流行が起きても変わらぬものが「感謝と祈り」の誠の心です。献穀祭だけではなく、様々な祭祀を通じて神の恵み・祖先の恩・互いの勤め・家族の愛に「おかげさま」と感謝をし、豊作物たる顕と感謝の幽に心を留めて、世の人々と将来の幸福を祈り合いましょう。 | ||
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