◆  コラム その七(きのえねのおまつり)  ◆

 神社のおまつりの中には、その神社にご縁のある日があります。出雲大社では、甲子(きのえね)の日がご縁の日です。

 ではなぜ甲子の日なのでしょうか。いろいろな説がありますが、例えば、古事記の中の一説です。
 ある時、ダイコク様がおじい様である素盞鳴命(すさのおのみこと)の元へ参ります。そこで、須勢理毘売命(すせりひめのみこと)に出会います。
 そして、素盞鳴命は「蛇の室の試練」「大野の鏑矢(かぶらや)の試練」「八田間(やたま)の大室屋の試練」という3つの試練をダイコク様に与えます。 須勢理毘売命の助けを借り、ダイコク様はこの3つの試練を切り抜くことができました。

 この試練の中のひとつ「大野の鏑矢の試練」で、ダイコク様はネズミに助けられます。
そして、甲子の子(ネ)とはネズミの事で、「ダイコク様と甲子の日は、深い縁があると考えられています。また、甲子は十干十二支の最初の干支であり、 ものごとのはじまりで、種子(タネ)の状態を表しています。このことから、五穀豊穣を祈願するおまつりが甲子祭であり、出雲大社では特殊神饌として、その時々に麦、あわなどをお供えしています。

 現代では、ものごとのはじまり、これから育っていく種の様子から、幸せの種を植える祈願の日として、農業に携わっていない方々もご参列になります。商売繁盛・繁栄を祈願される方、良縁を祈願されるかたは、この日を幸福の種子をまくきっかけとして、お参りされるとよいでしょう。
 今年の甲子の日は、今月12日、12月11日です。分祠でもおまつりを致しますので、お時間のある方は是非ご参列下さいませ。